【開催報告】ウェルビーイング・キャリア研究会 第1回ワークショップ

2022年4月18日

ウェルビーイング心理教育アカデミーのナビゲーターのキャリアコンサルタント有志で、今年4月にウェルビーイング・キャリア研究会を立ち上げました。

これまで何度か、アカデミー内でキャリアに関するワークショップを開催する中で、人生の多くの時間を過ごすキャリアや何らかの役割に関する時間をウェルビーイングに過ごせたのならば、さらに豊かに、満たされた人生になるのではないか、と思ったのです。

以下、開催報告です。

■第1回ワークショップ 内容は?

祈念すべき第1回は、私がファシリテーターを担当しました。

内容は、 「ナラティブ・アプローチで探る幸せのタネ」

最近、ビジネス領域でも話題になっている「ナラティブ」を取り上げ、 ナラティブとストーリーの違いや、ナラティブ・アプローチの一部を体験していただきました。

ナラティブ・アプローチは1990年代に臨床心理学の領域から生まれ、医療やソーシャルワークなどの分野でも実践されています。

例えば、心理療法の「ナラティブ・セラピー」(家族療法)や「ナラティブ・キャリアカウンセリング」があります。

今回は、ナラティブキャリアカウンセリングの中で、サビカスの「キャリア構築理論」を取り上げ、「キャリアコンストラクション・インタビュー」を体験していただきました。

■ナラティブとストーリーの違いは?

一般的な説明は下記の通りです。
ストーリー(物語)=起承転結があり、主人公や登場人物が出てくる
ナラティブ(語り)=語り手自身が主人公になり、物語を展開

実は、ナラティブについて、最近なるほど!と思った記事がありました。

「情報戦」でウクライナが圧倒的に優勢な理由
イーロン・マスクを味方にするSNSナラティブ
https://toyokeizai.net/articles/-/537359
記事: 『ナラティブカンパニー』著者 本田 哲也

本田氏は、

ナラティブとは「社会で共有される物語」のことだ。「ストーリー」が起承転結のフォーマットで一方的に語られるものであるのに対し、ナラティブは「共に紡ぐ」、つまり共創という特徴がある。

この「共創」という特徴から、ナラティブとは、
「物語的な共創構造」=企業と生活者・顧客が共に紡ぐ物語
と言ってます。

ナラティブはPR、マーケティングや採用、など最近色々なところで使われていますので、企業の事例も挙げながら、より身近に感じていただけるように、お伝えしました。

尚、 日本キャリア開発協会(JCDA) のナラティブ・キャリアカウンセリング技能講習では、研究者によって違いがあるものの、ナラティブとストーリーは両方が循環すると伝えていました。どちらか一方だけで良いというよりも、場合により、両方を上手く活用する、ということが大切だと感じています。

■ナラティブ・アプローチとは?

クライエントが、自分の物語(ストーリー) を生きられるように、
語り(ナラティブ)を 用いた「意味の確認」と「生き方の再著述」
によって 支援するアプローチ
引用:日本キャリア開発協会(JCDA) 技能講習

という説明がありますが、簡単に伝えると、こんな感じでしょうか。

相談者に自分の物語を語ってもらい、問題の原因になっている
ネガティブな思い込みを見つけ、それをポジティブな内容に
書き換えることで、抱えている問題を解決しようとするアプローチ

今回は簡単なワークを行うことで、短時間で問題解決することを経験していただきました。

***参加者の方からの感想はこちらです***

・私はキャリコンではないので、キャリコンの知識・視点を知ること、そしてそれを単なる知識ではなく、ワークで落とし込むという構成が非常に素晴らしかったです。すんなりと受け入れていくことができるものだと思い、今年何度か大学生に対してワークショップをしていくので、そんな中でも活かせていけると思いました。ありがとうございました!
・過去の小さな出来ごとの積み重ねから、自分の価値観や強み が明確になることに驚きました。大きなストリーへの置き換えが比較的にスムーズにできたことにも驚いています。
・今回参加させていただいて、過去の出来事の意味付けを学びや良かったことに変えることによって、今の自分をより成長させることができると思うと、嬉しくなりました。
・ナラティブキャリアカウンセリングのパワーを体験できて、 とても腹落ちしたワークになりました。実際にワークショップで実践することの大切さが分かりました。
・自身で何となく感じていること(強みなど)が、質問によって引き出されて、それをフィードバックしてもらうことで、自覚していた程度と異なることが認識でき、新鮮でした。相手の言葉で自分のことを知る経験、楽しかったです。
・本日はありがとうございました。この学びを実際に明日から実行できる気がしました。自ら語ることの意味を改めて理解しました!
・過去から現在まで大切にしてきたことが明らかになるワークでした。自分で自分を語ることでたくさんの気づきがあるのだなあと新鮮な感覚です。今、気になっていることが希望に変わりました。ありがとうございました。
・幼少期のロールモデルが現在につながっているのが大変興味深い発見でした。そして他の設問でも自身の興味関心の根底に共通している価値観が見えてきました。今日は短い時間の中でのワークだったので、自身でもう少し時間をかけて深く・広く掘り進めていくとよりおもしろいではないかなと感じました。 ありがとうございました!
・”ナラティブ”と”ストーリー”の違いがよくわかりました。 常に現在進行形の”ナラティブ”ここ大事ですね。 「キャリアコンストラクション・インタビュー」とっても良かったです。
・今日はありがとうございました。ナラテイブアプローチ、初めての体験でしたが、ワークで自分が大切にしていることを再発見できて、大変楽しく有意義な時間でした。
・「ナラティブ」とキャリアについて、以前から知りたいと思っていましたが、とっても整理されたお話をきけて、満足感いっぱいです。また、好きな映画・番組・本について答えることがあっても、その理由について語って言語化する機会は多くはなかったなあと感じ、その中で自分自身が見えてくるなと思いました。 楽しく有意義な時間をありがとうございました!
・インタビューのワークでは、温かな聞き手がいてくれて、キャリアコンストラクション・インタビューを受け、自分のことを語る経験は、新鮮でした。自分が大切にしていることが、過去から現在、そしてこれからに繋がっていくことがわかり、改めて自分の在り方、生きる意味を確認することができました。
さらに、自分がこうなりたいことの為に工夫していくことも 言語化できて、これから意識していこうと思いました。
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嬉しい感想をいただき、この研究会でお伝えしていく意義を感じています。

次回は5月22日(日)10:00~12:00
私のワクワクを探そう ~価値観探求の旅~ 
ファシリテーターは、ウェルビーイング心理教育ナビゲーター 柴田典子さんです。
お申込み・詳細:https://mielca.com/awe/PublicSeminar.aspx?gId=1&sId=1&eId=911

今回ウェルビーイングについて、興味があるという方々にもご参加頂きました。
ある方は、会社が、「ウェルビーイング、ウェルビーイングって言うけれど、
いったいどういうことなの?と思い、知りたくて参加した。
良く分からずにつま先立ちしている感覚だったが、心理的、身体的、社会的という3領域を知り、同僚にも伝え、地に足をつけて実践していきたい」とお話していたことが印象的でした。


ウェルビーイングについて、2つの基礎講座を開催しています。
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◆ウェルビーイングについて学びたい方へ
ウェルビーイングベーシック講座

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ストレングス・アプローチ講座

あなたのしあわせとチャレンジといつも応援しています。