ケース７「将来のために、今からしておくことは？」
コロナウィルスを経て、新たな働き方や、今後ニーズが見込まれる業界への転身を考える人が増えています。
会社員として働いていても、将来に備えて副業したい、いずれ起業したい、という方のために、事前準備になる考え方をご紹介します。
■これからの人生に必要なものとは？
2017年に流行語大賞に選ばれた「人生100年時代」という言葉。
そのきっかけは、2016年に出版された リンダグラットン氏の著書 「ＬＩＦＥＳＨＩＦＴ～100年時代の人生戦略」でした。
この著書の中では、「長寿化」「終身雇用崩壊」「年金不安」「VUCA時代」「AI台頭」などにより、今後はロールモデルがなく、人生が多様化し、個人で自分の人生を選択していく必要性について述べられています。
これまではお金や土地、家などの「有形資産」が大切とされてきましたが、最近はSDGｓの観点からも、「所有」から「共有」へとシフトしていることを体感している方も多いのではないでしょうか？
シェアするという行為を通じて、人とつながる楽しさ、同じ価値観を共有する喜びを味わったり、固定概念に捉われずに軽やかに生きることを選ぶ人が増えている様に思います。豊かさの指標はこれまでの時代の「モノ」から「心」へ変化しているのです。
■３つの無形資産とは？
前述の「ＬＩＦＥＳＨＩＦＴ～100年時代の人生戦略」の中で、これからは、以下の３つの「無形資産」が重要になると紹介されています。
①生産性資産
■人が仕事で生産性を高めて成功し、所得を増やすのに役立つ要素
■基礎力、ポータブルスキル、経験学習、仲間、評判
②活力資産
■肉体的･精神的な健康と幸福。友人やパートナーとの良好な関係
■Well-being、幸福学
③変身資産
■ 100年ライフで経験する変化と変身のために必要な要素
■変化に対して開かれた姿勢、多様なネットワーク、自分についての知識
①はリカレントやリスキリングなども注目されていますし、Youtubeなどで無料でスキルを得たり、オンライン講座では場所に関係なく知識を得られるようになりました。
②は私自身、Well-beingについての講座を伝えていますが、今後の生き方も、産業もWell-beingがベースになるでしょう。
これまでは自己犠牲にして社会のため、会社のため、という時代でしたが、研究結果として、しあわせは伝播することや、しあわせな人は生産性や創造性が高く、実績が高いことが明らかになってきているのです。
「LIFE SHIFT」が新しく提示した概念は、③の「変身資産」だと思いますが、100年ライフで経験する変化と変身のために必要な要素ということで、以下で、もう少し掘り下げます。
■「変身資産」を増やすためにできることは？
リンダグラットン氏が2022年10月に出版した、「リデザイン・ワーク 新しい働き方」に興味深い内容があり、③ 変身資産を増やすヒントになると思います。
人的ネットワーク（人と人との結びつき）を「紐帯」という概念で
■強い紐帯＝よく知っていて信頼することができて、いざという時
■弱い紐帯＝それほど頻繁に会わず、情緒的な絆が深くない人。趣
コロナ禍では、既によく知っている人と過ごす時間が増え、強い絆
一方で弱い紐帯にも素晴らしいメリットがあります。
スタンフォード大学の社会学者マーク・グラノヴェーターによれば人々がどのようにして新しい職を見つけるのかを調べたところ（こ
つまり、未知の情報や、偶然の出会いは、友人の友人など、弱い紐
今後、副業や起業する際の人脈つくりにも役立つ内容ではないでしょうか？
これまでの人間関係を大切にしながらも、新たなネットワークを築き、他者からの様々なフィードバックを得ることで視野を広げ、自己認識を深め、様々な変化の波に柔軟に対応する、そんな人にとっては、これまで以上に可能性が広がる楽しい時代になるかも知れません。
私自身、意識していた訳ではないのですが、気づいたら①②③全てを自然に取り入れていて、特に③で様々なコミュニティに関わることで、年齢・性別・住まい・職業に関係なく幅広い人と知り合い、仕事の幅も広がり、人生が豊かになっていることを実感しています。
これらを参考にしながら、どのような「無形資産」を増やしていけばよいのか、考えてみてくださいね。
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